やまだち牧場について

工場型畜産が主体となっている現在、里山を活性化させ、動物に優しい
持続型放牧畜産を目指して生産しています。

◆ひつじ事業のきっかけ

石川県立大学の石田教授が2015年に耕作放棄地対策として白山市木滑で羊放牧をはじめました。畜産は大変なのに儲からない、羊は特に儲からない。そんなことは分かっています。だけど、“里山に羊がいると楽しい”。 楽しいことに、なにか可能性を感じました。

2023年現在は、母羊が12頭。まずは2~3年で30頭まで増やします。そして最終的には、畜舎を建設し75頭の飼育を目指しています。

◆里山の恵みを存分に享受して育った里山育ちの羊

何よりも羊たち自身が幸せで健康的で(アニマルウェルフェア)、里山にも優しく(耕作放棄地対策や資源循環、SDGs)、そしてどこよりも美味しい羊肉を作ります(肉質)。生産者の気持が商品にも伝わるらしい。だから私たち自身も日々楽しんで生産します。

◆羊を白山麓に人が来るきっかけにする

私たちの羊が提供できるもう一つの価値。それは、親しみやすい羊を通じて、地域内外の多くの人とつながる機会をつくり交流すること。羊を見にきてもらう、周辺の里山も見てもらう、里山の良さを知ってもらう、住んでもらう。全国の里山で真似をしてもらう、全国の中山間地が楽しくなっていく。「里山を育てる羊」としても地域に貢献できるよう開かれた牧場をめざします。

◆生産者

有本 勲(合同会社山立会 代表社員)

1983年生まれ、京都府出身。大学時代は、ツキノワグマの生態調査に明け暮れていましたが、就職を機に石川県白山市へ移住。石川県白山自然保護センターで動物調査、一般社団法人白山ふもと会で猪・鹿のジビエ事業を経験したのち、2017年に里山総合会社“山立会”を起業。里山を舞台に課題解決や価値創出につながる事業を求めていたところ、2020年に羊放牧を前身の石川県立大学・白山麓羊推進協議会から引き継がせていただくことになりました。羊飼育は、勉強すること盛りだくさんのわりに経済動物としては単純には儲からない。だけど、楽しいからきっと面白い将来があるはずだと信じて進んでいます。つながりが少しずつ拡がってきています!

◆山本真奈未(合同会社山立会 ひつじ担当)

・・・作成中・・・


羊のお肉を生産している牧場を見たことはありますか?

大体の方は「ない」と答えるのではないでしょうか。
それもそのはず。
国内における羊農家はほんのわずかで、それを本州にまで絞るとその数はさらに減ります。

我々は、日本の山々に広がりゆく耕作放棄地の再活性のためにひつじ生産という手段を行えないかと模索する、羊協議会から羊事業を引き継ぎ、白山麓の里山にある耕作放棄地にてひつじの放牧飼養を始めました。

ここでの羊たちは、好きな時に野草を食べ、流れる小川の雪解け水を飲んで育ちます。

こうして自由に生きることのできる家畜は限られていることをご存じでしょうか。
つなぎ飼い、ストール飼い、バタリーケージなどといった行動を制御する飼育の仕方が一般的だからです。
これが悪いと断言したいのかというとそうではありません。

日本は農地として利用できる土地が少ない、農業の後継者が年々減っている、労力の割りに合わない収益、たくさん問題を抱えています。

これを全部動物の自由な生き方に変えろって言っても無理難題ですよね。
労働量は上がり、大量生産も不可能です。
でも、本当に「仕方ない」ですませていい問題でしょうか。

私たちは、私たちのひつじ生産の現場をみてもらい、皆さんにこういう飼い方もあることを広く知っていただきたいと思っています。
世界ではこのアニマルウェルフェア(動物福祉)問題をはじめ、SDGsなども意識され始めています。
耕作放棄地の増加、輸入飼料の危機、本当にあげたらキリがないほど問題がたくさんあります。

これからの畜産の在り方について、消費者の方と一緒に考えていきたい。
そしてのびのびと育った我々のひつじのお肉、『白山サフォーク』を召し上がっていただきたいです。